2008-01-01から1年間の記事一覧

一年の終わり

一年が終わった。さっき除夜の鐘は叩いてきたので、年は改まったが、まだ始まったという気分ではない。 大晦日まで論文を書き続けて終わったため、まだその熱が残っているような気分だ。今日まで取り組んでいたのは、共著の短いもの。半ば相手が定めてくれた…

さらに補足

日本全体が超国家主義に走っていたかのように見える重要な要素を挙げることを忘れていた。それは恐怖だ。兵士たちは他国の兵士による殺害の恐怖に見舞われれば、その恐怖を殺すために何らかの信に縋りつく必要があるかもしれない。殺害する機械としての人間…

補足

様々な誤解がありそうなので、昨日書いたものに若干の補足しておきたい。 日本の現状についての認識については、あらゆる〈信〉が存在しないのではないだろうかということに関してはあまり変更はない。丸山眞男が『日本の思想』で展開した「精神的雑居性」に…

社会主義を再考してもよいのではないだろうか

最近、現代フランスの政治哲学のテクストを読む読書会に参加している。この手の領域を専門にしている人たちと親しく会話をする機会がこれまでなかったので、いろいろと勉強になる。それと同時に、自分の立ち位置や日本の現実に対する認識が少しずつ変化して…

ほしいもの

眠れない。最近はまたしばしばこういうことがある。起き上がってみて何かをしようと思うとしだいにまぶたが重くなるのに、もう一度布団に入ってみるとはやり眠れない。困ったものだ。 そんなときにいろいろなことを考えるのは子供の頃からのことで、今日は、…

共同研究

今日はいま進めている共同研究の、何度目かの打ち合わせ。共著で論文を書くのはいままでなかったので、いろいろな作業で苦労している。そもそも、どのような手順で原稿を書いていったらよいのやら。効率のよい方法というのはおそらくないので、論文の内容と…

ぶり大根

寒くなってきた。毎度のことながら風邪をひきかけて、じっくりと寝てあっという間に回復した。気候が変化すると、料理も変わってくる。夏の間は焼き魚や刺身ばかり食べていたのが、ここ数日は連続して煮魚だ。一昨日はひらめ、昨日はかれいと、見た目がそっ…

本屋通い

二日続けて本屋に行った。店内に喫茶店があって、テラスにも出られるようになっている。北向きでしかもそこには大手予備校の校舎があって、諸々のビルが建ち並ぶ裏通りという印象で、あまりよい景色ではない。それでも席に座ってしまえばその建物も背後にな…

昨日の続き

要するに、何かを実際に「やる」ということが必要だと思ったわけだ。理論的実践だとか言って、思考することも一種の行為であるとする考え方もあるが、それは単に職業大学人が自分の立ち位置を正当化するための論法にすぎないし、逃げであることは否定できな…

方向転換の時期かもしれない

某研究員に落ちた。この時期に多くの大学院生たちが一喜一憂する、あれである。今年からネット上で見られるようになったおかげで、郵便屋さんを待ちわびるという作業がなくなったのはよかった。 驚くべきは、人文学の分野の全体で半分以下の順位で、おまけに…

若者による老いの定点観測

数年前に撮った証明写真を何種類かひっぱりだした。街中にある500円くらいで六枚つづりの写真が出てくるあれである。カーテンを閉めるときがなぜか道行く人の視線が気になる。一枚も使用していないのが何種類かあるのは、髪を切るのが嫌いで必要なときにはく…

サイクリングをした

今日は天気がよかったのでとても短いサイクリングをした。出発してから早速、隅田川の川岸のよく整備された場所で、近所のパン屋で買っておいた昼食をとった。家を出たときにはすでに空腹だったので、出発するときにはもうそのあたりで食べることは決まって…

大人の楽しみ

今年の四月から大学に喫煙所が設置されて、そこでしか煙草を吸うことができなくなった。何の制限もなかったこれまでがおかしな話で、それ自体は何の異存もない。しかし屋根もなく雨ざらしで、くつろげる空間ではない。ひどい話だ。一か所にまとめればそれだ…

小説を読んだ

ずいぶん久しぶりに何冊かの小説を読んでいる。近ごろは時間がなくて、めっきり読む量が減ってしまっていた。かつては、一日のうちで小説を読まない日はないというくらいの中毒症状だったというのに、気がついたら漫画の立ち読みの頻度もずいぶん減ってしま…

動物園と禿げ頭

天気のよい日が続いた。よく晴れて空が青いような日は、睡眠時間が多少短かろうが、昼くらいまで惰眠を貪ろうが、目が覚めたらすぐに活動に移ることができる。どんよりとした日は逆に、午前中どころか一日中目が覚めずに終わってしまうことが多い。いまみた…

すべてを雑事にしないために

結局、論文の提出は来年度に延ばすことにした。意外に早い決断だ。冷静に考えてみて、無理だと思った。そのせいで昨晩はほんの少し眠れなくなったりもしたけれど、そう決めてしまえばずいぶんと気が楽になった。考えてみれば、来年の三月まではバイトをする…

凡庸なまともさ

鈍い頭を使い、ない智恵を捻り出し、時間に追い立てられながら論文を書いていたら、疲弊してしまった。どう言ったらよいのか、気分がすぐれない。研究をする喜びを少しも感じられない。同じような主題を考え続けて、堂々めぐりをしているような状態になって…

膨らむ妄想

論文を書く過程で最も楽しいのは、実際に書いているときではなく、妄想を膨らませているときである。構想ではない。妄想である。きちんとした骨組みをもたず、散発的な思いつきをもとに、とてもおもしろい内容のものが仕上がるような気がしてくるのである。…

枕がくさい

毎日暑い。夏だからあたりまえではないか。しかし暑い。挨拶のような形で「暑いねえ〜」と言うと「夏だからあたりまえだろ」とか「いちいち口にするな」と言う人がいる。気持ちもわからないではないが、非常に狭量な心持ちである。暑いと言うと余計に暑く感…

学術論文のおもしろさって何でしょう

溜まってきた博士論文の草稿のうち、ひとつの主題を扱った部分の約20ページを読みなおした。まとめに入ろうかというところで、それ以前に自分がどんな言い回しをして、どんな部分を引用したのかということを、そこそこに長い時間が経過するうちに忘れてしま…

凝った

ずいぶんと久しぶりになってしまった。この間何をしていたのかというと、論文を書いたり夏バテしたり家事をしたりしていた。いつもと同じだった、とまとめることができる。いろいろ書くこともあったような気もするけれど、ほとんど忘れてしまった。鰻を食べ…

不思議な喫茶店

クソ暑いですね。まだ体が暑さに慣れきっていない。なぜ二十数年間生きてきて、夏の暑さがどのようなものなのかということを、暑くないときに生々しく想像することができないのだろうか。小学生の頃は大人になればそれができるようになるのではないかと期待…

長い顔

最近はまた毎日のように自転車を乗りまわしている。滞在する場所といえば自宅と大学と池袋という三ヶ所に限定されるという生活になって久しいのだが、引っ越しのおかげでその三ヶ所が自転車で20分以内の距離で結ばれるようになって、喜び勇んで出かけるよう…

散髪

髪を切ってきた。湿気の多い季節が多くなって、妙なクセのある私の髪は、おでこにひっついたり外に向かって広がったりと、なかなか大変なことになる。面倒で金もかかるので、強い決意をしないとなかなか切りに行くことがない。今回はかなり早いほうだったと…

ジツゾン的

友人にこのブログを「ジツゾン的」と評された。何のこっちゃいと思えば、生活者的である、ということらしい。なるほど。ジツゾンと言うと、生きる意味とは何ぞや私が私たらしめている核心的なものとは何ぞやといった類のことを考えるものであると思いがちだ…

写真

こんなかんじ

犬がやってきた

実家で家族たちが犬を飼い始めた。柴である。鼻先が黒くてどちらかというと熊のような顔をしていたのが、ひと月近く経って、だいぶ犬らしい顔をするようになった。体重も二キロほど重くなったとのことである。しかしまだ犬になりきっていないらしく、たまに…

一年が経ちまして

本日は同居人と暮らし始めて一周年。様々あった。感慨深いと言えるほどに落ち着いたというわけでもない。それでも、わずかな期間とはいえ、これだけやってこられたということは、自分なりには大したものだと、少しは思う。お互い多くのことが激変した。その…

身辺雑記

引っ越してきてから約ひと月が経った。なかなかよいところである。ジュンク堂がある池袋にも、大学にも、自転車で行くことができる。自分にとっての東京の主要な場所には、ほぼすべて自転車をこいで向かうことになる。考えてみれば、再び埼玉に住むようにな…

引っ越し

で、その間、引っ越しをしていた。そんなに時間がかかるわけがないと言うなかれ。不動産屋を廻り、物件を廻り、とにかく歩き回り、契約をし、新しく買い揃えなければならないものを買い求め、多くのものを捨て、引越屋を手配し、周囲に引っ越しをすると宣言…