2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

偉大な平凡さ

先日、アフガニスタンでNGO活動に参加していた伊藤和也氏を扱ったNHKスペシャルの再放送を見た。金目当てのアフガニスタン人に拉致されて殺害された青年である。軽い気持ちで、彼の撮った写真が美しかったからというだけで見始めたのだけれど、そこに描かれ…

共産党宣言

で、その後は喫茶店で『共産党宣言』を読んだ。変な取り合わせだ。これまで『ユダヤ人問題』『ヘーゲル法哲学』『ドイツ・イデオロギー』『経済学批判要綱』などなどを読んだことはあったけれど、実は『宣言』を読んだことはなかった。どうせロクなこと書い…

おくりびと

この前、話題になっていた映画『おくりびと』を見てきた。前日の新聞広告に池袋で朝10時から上映されているということを知って、このまま見逃してしまうわけにも行くまいと思って早起き。雨だったのでバスに乗ったところ渋滞で、諦めるしかないかと思ったが…

誰の子供?

不妊治療中の女性に、誤って別の夫婦の受精卵を移植した可能性があるため、妊娠した女性が中絶をし、病院に対して訴訟を起こしたという記事が、朝日新聞のトップニュースになっていた。ミスをした医師に責任があることは確かだし、苦労した末の妊娠がこのよ…

文章作法

論文を書くために読んだ本の中に、論文のためにはまったく使うことのできない部分に、本当はおもしろいことが書いてあることがしばしばある。最近では次のようなもの。「著作をものするとき、技巧が目につくような書き方をしてはならないということは、誰も…

金よこせ

考えてみると、人文系の研究者が飯を食っていける社会というのも奇妙なものだ。いったい何を対価としているのだろう。「智恵」だなんて答えることができる人はいるのだろうか。 御用学者にでもならないかぎりは、人文系研究者は社会の寄生虫であり、贔屓目に…

ただの日記

今日吹き荒れた生暖かい強風が、春一番だったらしい。風が強いからと用心して着て行った重い革のコートはほとんど余計たっだし、追い風に調子づいて全力で自転車を漕いだせいで汗までかいてしまった。リュックのパソコンのせいで腰が痛い。 暖かい陽気だった…

翻訳とか

今日も博士論文の続き。見通しはついているけれど、到達点まではあまりに遠い。素振りばかりを繰り返していつまで経っても実戦に至りつかないようなもどかしさがある。いまはデカルトとコンディヤックについて書いている。この俺がデカルトとコンディヤック…

今日の出来事

来週からいよいよ始まってしまう仕事のために、今日はネクタイとシャツを買ってきた。再び現代文講師として、いたいけな高校生たちの親御さんたちから金銭を強奪するのである。申し訳ない。せめて、立派な非順応的な大人へと育成するよう努力する所存である…

『嵐が丘』を読んだ

眠れずに『嵐が丘』を最後まで読み通した。鴻巣友季子さんが何年か前に出した訳で、出版されたときに買ったのをそのまま放置していて、最近になって少しずつ読んでいた。鴻巣訳の本を読むのはクッツェー以来で、これまではエッセイをいくつか読んでいた(『…

間にある町

この前の週末、箱根に行ってきた。小学校二年生のときに一度行ったきりだったので、およそ10年は経過している。大涌谷で黒たまごを食べたこと、その店の電話番号の下4桁が9605(クロタマゴ)だったこと、硫黄のにおい、それくらいしか記憶になかった。子…