研究

引用集

ワードファイルにして100頁を超えるF氏の引用集を、2年前くらいに作成していたことに、今日気づいた。引用を集めたことがあるという事実は覚えていて、講義で使えないかと思って開いてみたら、それだけの分量になっていた。博士論文を書くときには一度も使…

出してきた

今日、博士論文を提出した。土曜日に製本して昨日を一日要約やら書類の作成やらに割くことができたので、珍しく何の不備もなく提出できた。めでたしめでたし。 苦労したのが背表紙づくり。原稿用紙換算で490枚ほどだけれど、両面印刷にすると厚さはわずか1…

頭が悪そうで乱れてる

ようやく論文の第一稿を書き終えた。序論が頭悪そうなのと、第一章の論述にけっこうな乱れがあることが問題である。これから何とかせねば。特に第一章は、先週になってから前提と結論がまったく誤っていたことがわかり、全面的な書き直し。二度と開くまいと…

対象の選択

「認識することは対象に暴力を加えないではできない。認識への情熱とは、対象を(あるいは体系)を美的に享受して陶酔することではまったく無縁であり、むしろ相手を理解しながら同時に強姦するよろこびである。」(丸山眞男) 思想史研究者が忘れてはならない…

修行前

ここ数ヶ月間ずっと思い込みをしていたことに、今日気がついた。同じ本を何度繰り返し読んでも、解釈したことを実際に書いてみないことには、誤解にもなかなか気づかない。おかしいなあと行き詰まりを感じて、うんざりした気分で何度か読んだところを再読し…

翻訳とか

今日も博士論文の続き。見通しはついているけれど、到達点まではあまりに遠い。素振りばかりを繰り返していつまで経っても実戦に至りつかないようなもどかしさがある。いまはデカルトとコンディヤックについて書いている。この俺がデカルトとコンディヤック…

思想史家と哲学者

腰痛から復活して、椅子に座っていられるようになった。とはいえ、まだ食器を洗うときに屈むのがたいそうつらい。腰を痛めないようにと思うと背中の上のほうの筋肉を使うらしく、攣りそうになる。屈むときに使う二種類の筋肉があるということをはじめて知る…

さらに補足

日本全体が超国家主義に走っていたかのように見える重要な要素を挙げることを忘れていた。それは恐怖だ。兵士たちは他国の兵士による殺害の恐怖に見舞われれば、その恐怖を殺すために何らかの信に縋りつく必要があるかもしれない。殺害する機械としての人間…

補足

様々な誤解がありそうなので、昨日書いたものに若干の補足しておきたい。 日本の現状についての認識については、あらゆる〈信〉が存在しないのではないだろうかということに関してはあまり変更はない。丸山眞男が『日本の思想』で展開した「精神的雑居性」に…

社会主義を再考してもよいのではないだろうか

最近、現代フランスの政治哲学のテクストを読む読書会に参加している。この手の領域を専門にしている人たちと親しく会話をする機会がこれまでなかったので、いろいろと勉強になる。それと同時に、自分の立ち位置や日本の現実に対する認識が少しずつ変化して…

共同研究

今日はいま進めている共同研究の、何度目かの打ち合わせ。共著で論文を書くのはいままでなかったので、いろいろな作業で苦労している。そもそも、どのような手順で原稿を書いていったらよいのやら。効率のよい方法というのはおそらくないので、論文の内容と…

すべてを雑事にしないために

結局、論文の提出は来年度に延ばすことにした。意外に早い決断だ。冷静に考えてみて、無理だと思った。そのせいで昨晩はほんの少し眠れなくなったりもしたけれど、そう決めてしまえばずいぶんと気が楽になった。考えてみれば、来年の三月まではバイトをする…

凡庸なまともさ

鈍い頭を使い、ない智恵を捻り出し、時間に追い立てられながら論文を書いていたら、疲弊してしまった。どう言ったらよいのか、気分がすぐれない。研究をする喜びを少しも感じられない。同じような主題を考え続けて、堂々めぐりをしているような状態になって…

学術論文のおもしろさって何でしょう

溜まってきた博士論文の草稿のうち、ひとつの主題を扱った部分の約20ページを読みなおした。まとめに入ろうかというところで、それ以前に自分がどんな言い回しをして、どんな部分を引用したのかということを、そこそこに長い時間が経過するうちに忘れてしま…

大事なところで言葉を失う

さて、その席で某哲学者を研究している大学院生を紹介された。名前だけはどこかで聞いたことがあるような…。彼と会話をしていて、当然のことながら「どんな研究されているのですか」と聞かれる。当たり前ですね。自己紹介は研究内容によって果たされるのがこ…

話は脱線して憎悪の方向へ

今年度は二ヶ月に一度というハイペースで締め切りやら発表やらがあって、新しいものに取り組む度に頭の回路を総取替えをしていた。おかげさまでずいぶんと勉強になったし、周到な準備をするというのがどのようなことであるのかということも身をもって理解す…

原稿完成

明後日の発表用原稿が完成。「テロリズム」について。いささか怪しい用語を連発してしまった。「帝国イデオロギー」とか。内容は至ってまともなつもりだけど、選んだ単語によって拒否反応を示されてしまうかもしれない。政治臭が脱色された世界で育って哲学…

硬直

テロリズムの原稿を書き始めた。いささか不調。結局のところいつものように、イデオロギー論の地平に位置づけるという作業になってしまった。いや、どう考えても現代において暴力の行使はイデオロギーと切り離すことができないのは確かなのだけど、またこの…

戦士は語る

で、それと少し関係のある話。先日の記事で、マルクスの批判的継承なんて大雑把な紋切り型を言ったけれど、その意味するところがよくわからなくなってしまった。それというのも、発表のためにイスラムを中心とした現代の暴力についての文献を読み漁っていた…

再び準備

ここ最近は、月末に行われる応用倫理の研究会の準備をしている。「テロリズム」について発表する。応用倫理でテロリズム? そう、なんだっていいのだ。学生の業績を増やすために行われているちんけな研究会なので。この種の「言ってはいけないこと」を、声を…

論文

昨日の午前、迷惑メールボックスの中に、投稿論文の採用通知を発見。ほとんど浮かれる間もなく就寝。結局喜びの感情はやってこなかった…。とりあえず一安心、というのが正直な感想。 ようやく投稿論文一本目。あとは紀要と、共著(専門外)のみ。お寒い始末で…

読了

先日、超特急でNaissance de la biopolitiqueを読み終えた。どうしても読み終えておきたくて、一日に150ページというフランス語読書新記録を樹立したりもした。最後は朦朧としていたが、おおよそのことは理解できた。一言一句を理解しなければならないような…

性格が悪い

巡り巡って、ニーチェ『道徳の系譜』を読んでいる。フーコーとの繋がり、特に『監視と処罰』への影響も理解できた。それだけでなく、いわゆる大陸系の哲学は、本当にキリスト教哲学なのだということも実感。リクールを読んでいる途中だけになおさらその印象…

あらたいへん

今年の四月くらいまでは、フーコーの権力分析をエピステモロジーの系譜に位置づけるために、カンギレムやアルチュセールを必死になって読んでいた。特にアルチュセールに関しては、フーコーのマルクス主義に対する批判がどこにあるのかということを理解する…

書き終わり

紀要論文の書き直しが終わった。今度こそは、と思う。もはや完全に飽きてしまっている。今日は疲れて頭がまわらなかったから手を出すことができたが、もう一度読めと言われても断固拒否する。それで掲載拒否になったらしょうもないけれど。

読んでみた

指導教授が10年ほど前に書いた文章を読んだ。論文としてはいささか長く、単著にするには短すぎる、といったものだ。私は彼にとって忠実な弟子ではなく、書いたものを読んだことはほとんどない。互いの関心が遠いように思われていたから読んでも自分の研究に…

うだうだ

今日はフーコーのNaissance de la biopolitiqueを読み進める。一日に最低でも10ページと決めていたのだけど、いろいろな用事やら怠け心やらで、もちろんそんな目標が達成されているはずがない。約一週間ぶりに読み始めると、それまでの内容をすっかり忘れて…

読み始め

いまさらながら立岩真也『私的所有論』を読み始める。来年行う予定の生命倫理の発表の準備として。とてもおもしろい。発想の仕方に親近感を覚える。凡庸な哲学研究者たちがいかにくだらないことをしているのかということを、改めて確認した。しかしどこの世…

書き直し

昨日で何とか論文の書き直しを終える。二本。この前連絡があったものは、再投稿が早かった順に、掲載が来年度になるか再来年度になるかがほぼ決まるとのこと。なんてこった。この一ヶ月は本当に無駄だった。 内容について。認識論から反省について考えても、…

結果通知

ここ最近、毎日のように公募論文の結果通知が届いていないかとポストをチェックしていた。あまりに遅い。もしや以前の住所にクロネコヤマトで届いているのではなかろうかと考え、ボロアパートへと立ち寄ったりもしていた。とうとう待ちきれず、もしやすでに…