原稿完成

明後日の発表用原稿が完成。「テロリズム」について。いささか怪しい用語を連発してしまった。「帝国イデオロギー」とか。内容は至ってまともなつもりだけど、選んだ単語によって拒否反応を示されてしまうかもしれない。政治臭が脱色された世界で育って哲学を専攻していたら、そうなっても仕方がない。もしかしたら発表をする場をそもそも間違えているのだろうか。何かの機会に適切な場に載せることができたらなあ、と夢想。
しかし、単語にくっついているイメージをどうにかすることはなかなか難しい。メットかぶってゲバ棒振り回しての方々が連発したおかげで付着したイメージが、ネグりとハートによる著書の題名のおかげで私の付近ではだいぶ変化したのかもしれないけれど、そうでない世界のほうが広いのかもしれないし。一言加えておいたほうがよいかも。しかしどちらにしても、「帝国」という単語を選んでしまう美的センスのようなものが問題なのかもしれない。異物感を優先するか、あっさり飲み下せるようにするか。どちらかというと前者をとりたくなるけれど、論文としては後者のほうがよいとされるのだろうなあ。
締めは再びバーリン。軟弱寛容多元主義ではなく、葛藤の現実性をきちんと見据えているところがよい。なんというか、「まともな議論」はこの世にそれほど多くないような気がするのだけど、その点バーリンは立派な人間だよなあ、とくだらないことを思う。
明日は終日所用。原稿に目を通す時間もほとんどない。頭からっぽで本番に向かうわけである。