金よこせ

考えてみると、人文系の研究者が飯を食っていける社会というのも奇妙なものだ。いったい何を対価としているのだろう。「智恵」だなんて答えることができる人はいるのだろうか。
御用学者にでもならないかぎりは、人文系研究者は社会の寄生虫であり、贔屓目に見ても、役立たずでしかない。そのことに誇りをもつべきである。有害なことをするときには熟考が必要だが、有益なことはなるべくしないほうがよい。流れに棹さして石を投げられるのが仕事だ。
博士課程修了者の就職が問題になっているが、自分たちの仕事が有益であると言って雇用を確保しようとするのは、実にあさましい。「やくざ」な存在なのだから、我々は無用である、しかし金をよこせ、と正面切って言えばよい。
人文学に携わる者は、ふつうにしていては飯は食えない。そのことを前提とすべきだろう。どこから金を強奪すべきかを考えたほうがよい。