暑い寒い

気がついたら、暑さよりも遙かに寒さに強くなっていたらしい。子供の頃は有無を言わさず夏を好きだったのが、湿った空気もダメ、エアコンもダメで、夏の間は汗にまみれてぼんやりしていることが多くなった。今年の冬は、もっと寒くなるもっと寒くなると思っ…

総括

今年はいろいろあった。新しく仕事を始めて、結婚をして、博士論文を書いた。調理器具もいろいろと新しくなり、料理のレパートリーを広げた。家の前の魚屋に誘われて、魚屋の組合(そんなものがあるんですねえ)が主催した料理教室にも参加した。あまりにも多…

人生の縮図

ようやくまともな日々が戻ってきた。仕事さえなければ最高だけれど、それでも数日前まで続いていた非人間的な精神労働に比べればまともなものだ。とはいえ、もしかしたら体のほうがはるかに疲れていたのかもしれない。睡眠時間も短くなり、煙草の本数も増え…

出してきた

今日、博士論文を提出した。土曜日に製本して昨日を一日要約やら書類の作成やらに割くことができたので、珍しく何の不備もなく提出できた。めでたしめでたし。 苦労したのが背表紙づくり。原稿用紙換算で490枚ほどだけれど、両面印刷にすると厚さはわずか1…

頭が悪そうで乱れてる

ようやく論文の第一稿を書き終えた。序論が頭悪そうなのと、第一章の論述にけっこうな乱れがあることが問題である。これから何とかせねば。特に第一章は、先週になってから前提と結論がまったく誤っていたことがわかり、全面的な書き直し。二度と開くまいと…

奥様との優雅な休日

今日は奥様とバドミントンをした。運動不足だし、パソコンを眺めるのも疲れたし、連休中だというのにまったく相手をせずに奥様は少々へそを曲げているところでもあったので、気分転換に近所の公園へ。我が家にはラケットがきちんとあるのです。かつて新宿に…

野蛮人の圧力鍋

某予備校の採用試験に通った。やれやれ。これで路頭に迷わずに後輩たちにも少しは仕事を譲ってやれるかもしれないくらいの状況にはなった。まわりくどい言い方だ。具体的にどれだけ働くことになるかはまだわからんしね。しかし遠くには行きたくない。修士課…

たとえ話では済みません

論文執筆を便通にたとえたことがある。(汚い話にたとえると話がわかりやすくなるような気がするのは、知性と品性が足りないせいだろうか。)詰め込んで書かずにいると便秘になって言葉が出てこなくなり、消化不良のまま書くとわけのわからない下痢みたいに…

お届けもの

今日、夕刊をとろうと家の中からドアポストを開けたら、そこには「ねこじゃらし」が。上の階に住んでいる少年かしら。毎日おかあさんに怒られているやんちゃぼうずである。来年は小学生だとか。 おかえしをするべきなのでしょうか。むこうが植物ならこっちは…

そいつが自然です

先日、高校一年生を相手に、「作為によって作られた制度が、あたかも自然のものであるかのように捉えられてしまう」という、よくある話の説明をした。一学期には丸山眞男なんかも読ませてあった生徒たちである。それで事例として、交通制度の話をした。歩い…

小指が痛い

結婚式が終わって論文の日々。いろいろあって書けない日もあるけれど、とりあえず名目上はそうなっている。披露宴ではなぜか11月提出の宣言をしてしまったし。結婚を誓うことよりも、提出を誓うほうが、目先のことを考えると重い。 今日は面倒で手をつけるの…

結婚しました

結婚をした。先週の土曜日、よく晴れていた。式と披露宴の間に、少しばかり公道を横断しなければならないような構造だったので、台風がこないか心配だったのだけれど、外に出るにもちょうどいい陽気だった。皆様方と非常に楽しい時間を過ごすことができた。…

理解できないと不安

今日は仕事があるということを忘れていた。というよりは、「ある」という可能性をまったく考えていなかった。どうやら「昼間の授業はなし」というのを、「今日の授業はなし」というのと勘違いしていたらしい。手帳には「授業なし」と書いてある。山形人(たぶ…

擦り切れ

最近、会う人会う人に「やせた?」と聞かれる。実際はあまり変わっていない。ふだんはジーンズなのが別のズボンをはいていたり、髪の毛を切ったり、何事もなかったりで、そんなふうに聞かれるらしい。この前、家族で写真を撮る機会があって、兄と二人で、老…

疲れてしまいました

高校生たちが夏休みに入ってから、仕事の開始時刻が朝八時になった。彼らは元気いっぱいだけれど、こちらはへろへろである。そんな時間から喋り続けるのは実にしんどい。電車に乗るために家から走るだけで午前中いっぱい動悸が止まらなかったりする。「マカ…

鼻の穴が動くのはおもしろい

昨日は鉄道博物館に行くために大宮に来たいとこ夫妻とその子供たちに会うために実家に帰った。夫が出張だったためらしいのだけれど、いとこ一人で五歳と一歳の二人の男の子を連れてくるのはさぞや大変だったことであろう。年齢を重ねたせいか、かわいらしか…

あたたかいわが子の体が切り開かれ、そこからまだ動いている心臓が摘出される光景を、人は直視できるのだろうか

臓器移植法の改正法案が衆議院を通過した。おそらくこのまま参議院でも可決されることになるのだと思う。しかしそれについて嘆いても致し方ない。これからは、遺されることになるであろう人々の判断と意志にすべてがかかることになる。法律で脳死が人の死と…

生きる歓び

今日は高級な昼ごはんを食べた。サーモンのマリネとビーフシチュー。コーヒーとデザートがついて何と2700円。世の中にはこういう値がつく食べ物が存在するのですよ。最高においしかったですねえ。本当に。安い居酒屋で薄い酒を飲むよりはずっと価値があるこ…

対象の選択

「認識することは対象に暴力を加えないではできない。認識への情熱とは、対象を(あるいは体系)を美的に享受して陶酔することではまったく無縁であり、むしろ相手を理解しながら同時に強姦するよろこびである。」(丸山眞男) 思想史研究者が忘れてはならない…

結婚制度

既婚者の中には熟知している方々も多いとは思うが、結婚というのはなかなか大変な作業である。難しいと思っていた問題が実に簡単なことだとわかったり、逆にあまり深く考えていなかったことが大きな波紋の可能性になったり…。頭を使う。論文を書くよりもはる…

幸福な場所

今日は非常に気分が塞ぎ込んでいたいたので一人で動物園に行ってきた。以前は同居人と破局の危機を迎えるほどに深刻なけんかをした後に二人で行ったこともある。いろいろとうまくいかなくて、その日の天気がよいと、動物園に行くことになる。今日は年間パス…

桜の木の下の穴掘り

今年はひとりでちょろちょろと桜の花を見に行った。家の周囲ではいろいろなところで咲いている。名所と言われているのは飛鳥山公園だけれど、目ざわりなぼんぼりがぶらさがっていて、人も多くて、「今年はお花見をしましたよ」と他人に言うために来たかのよ…

翻訳

今日は邦訳でハイデガーを読んで憤死しそうになった。あまりにもまわりくどくて、持ってまわった語り方で、貧乏ゆすりが止まらないくらいに苛立った。いやあ、ひどい。ドイツ語で読んでも同じなのかしら。ドイツ語は読めないのでそのあたりはわからないけれ…

声、声、声…

へっぽこ現代文講師を再開して数週間が経った。以前よりは余裕をもって授業をすることができるようになったので、いろいろと試している。50〜80人ほどを相手に比較的大きな教室で授業をしているので、生徒の顔を覚えることはほとんど不可能に近い。何人かは…

修行前

ここ数ヶ月間ずっと思い込みをしていたことに、今日気がついた。同じ本を何度繰り返し読んでも、解釈したことを実際に書いてみないことには、誤解にもなかなか気づかない。おかしいなあと行き詰まりを感じて、うんざりした気分で何度か読んだところを再読し…

散歩

散歩をした。ここに住んでから一年近くの時間が経過した。生活のパターンが定まると同時に、移動する場所もおおよそのところ固定してくる。日常生活が展開される世界は、家を起点としていくつかの道路に沿った線上に展開されることになる。東京に住み始めて…

腰痛押し問答と病院経営

いつまで経っても良くならない腰痛のために、今週再び病院に行ってきた。本とノートを同時に広げることができないくらいに乱雑になってしまった机と、相変わらずお粗末なままで自宅で二時間も読めば放り出してしまうフランス語の本を読む必要とで、何日間か…

偉大な平凡さ

先日、アフガニスタンでNGO活動に参加していた伊藤和也氏を扱ったNHKスペシャルの再放送を見た。金目当てのアフガニスタン人に拉致されて殺害された青年である。軽い気持ちで、彼の撮った写真が美しかったからというだけで見始めたのだけれど、そこに描かれ…

共産党宣言

で、その後は喫茶店で『共産党宣言』を読んだ。変な取り合わせだ。これまで『ユダヤ人問題』『ヘーゲル法哲学』『ドイツ・イデオロギー』『経済学批判要綱』などなどを読んだことはあったけれど、実は『宣言』を読んだことはなかった。どうせロクなこと書い…

おくりびと

この前、話題になっていた映画『おくりびと』を見てきた。前日の新聞広告に池袋で朝10時から上映されているということを知って、このまま見逃してしまうわけにも行くまいと思って早起き。雨だったのでバスに乗ったところ渋滞で、諦めるしかないかと思ったが…