鼻の穴が動くのはおもしろい

昨日は鉄道博物館に行くために大宮に来たいとこ夫妻とその子供たちに会うために実家に帰った。夫が出張だったためらしいのだけれど、いとこ一人で五歳と一歳の二人の男の子を連れてくるのはさぞや大変だったことであろう。年齢を重ねたせいか、かわいらしかったいとこも、少し伯父に似てきたような気がする。
子供たちは、まあ例によって元気いっぱいである。上の子には祖母の葬式のときに会ったきりで、そのときはつかまり立ちくらいしかできなかったのに、あたりを駆け回るようになっていたし、下の子はじっとしていることができない。食事中には子供用の椅子の上から頭を下にして転落していた。我々は青ざめたのだけれど、いとこ夫妻は「あらまあ…」というかんじでよっこらしょと泣き叫ぶ子供を持ち上げてどこかにあやしに行っただけだった。あれくらいでは怪我なんかしないんですよーと普通の顔をして言っていたけれど、慣れない人間にとっては心臓に悪い。しょっちゅうあるんでしょうね。自分の背よりも高いところから落ちても平気とは。見習いたい。
驚いたのは、一歳児の認知能力。とりあえず仲良くなりたいなあと思って、じっと顔を見ながら鼻をぴくぴくと動かしてみたら大笑いをしてくれた。驚いたのは、少なく見積もっても二メートルは離れていたのに、そんな微妙な動きが見えることだ。それとも私の鼻の動きはけっこうダイナミックなのだろうか。しかしそれ以上に、鼻の穴が動くことが「おもしろいこと」として認識されるという事実にちょっとした衝撃を受けてしまった。ほんのちょっとした変化だし、別に「動いているなあ」程度の認識でも(言葉はまだしゃべらないんだけど)いいような気がする。そうですか、おもしろいんですか。「ノーマルな顔」というのがどういうものだかわかっているんですねえ。いやあ、すごいもんです。
それをきっかけにだっこさせてもらえるようになった。さて、鼻ぴくぴくはどこまで汎用性があるのだろうか。いろいろな機会に試してみたい。