生きる歓び

今日は高級な昼ごはんを食べた。サーモンのマリネとビーフシチュー。コーヒーとデザートがついて何と2700円。世の中にはこういう値がつく食べ物が存在するのですよ。最高においしかったですねえ。本当に。安い居酒屋で薄い酒を飲むよりはずっと価値があることはよく理解できるのだけれど、それはそれ、これはこれ、という固定観念ができてしまっているので、やはりすごいよなあと感じてしまった。
味はね、ふだん自分の作っているものが豚のエサのように思えてしまうほどに旨かった。きちんとした食材を集めて、時間をかけて、ていねいに作ると、こうなるんですねえ。一冊の本を買うよりも、一度の食事を大切にできるような人間にならなくてはいけないのだと思う。買ってはみたもののつまらなくて最後まで読まず、何かに使うかもしれないという理由だけで床の上で埃だらけになっている紙の束の山…。本当に必要な本などほとんどないのだから、ちょっとした幸福を味わうために稼ぐほうがよほどよい。
それでも、週末に西武の地下にある少し高いスーパーで材料を買って作った、そこそこのワインを飲みながらの食事というのも、やはり欠かせない。旨いものを食べることは、自分に許されたほとんど唯一の、生きる歓びなのだと思う。
そんな大袈裟な…。