総括

今年はいろいろあった。新しく仕事を始めて、結婚をして、博士論文を書いた。調理器具もいろいろと新しくなり、料理のレパートリーを広げた。家の前の魚屋に誘われて、魚屋の組合(そんなものがあるんですねえ)が主催した料理教室にも参加した。あまりにも多くのことをしていると、あっという間に時間が過ぎたような気がして、逆に何もしなかったようにも思えてしまう。動物園にもたった二回しか行くことができなかった…。相撲も御無沙汰。だらだらと過ごしたほうが充実感があるような気がしてしまうというのは、根本的な錯覚であるような気がする。しかしそれを修正することができないという事実が、錯覚が錯覚である所以でもある。というわけで、来年こそは充実した日々を過ごすために、できるだけだらだらしよう。
しかし、どうやらそういうわけにもいかないらしい。結局、口頭試問が終わった後にも、論文を書き直す作業が続いているし、さらに新しい仕事も始めることになった。書かなくてはならないことが他にもある。さらにさらに…に関しては後日また言うことにしよう。とにかく、奥様と暮らし始めたあたりから、濁流に呑み込まれてしまったらしい。体力をつけないと、台風の後に橋脚にひっかかっている枯草のようなあり様になってしまう。大雨の後の川ってわくわくしますよね。子供の頃は洪水の中を泳ぐことに憧れていた…。その代償行為として、長靴の中を濡らさずに、どれだけ深く足を入れることができるかを楽しんでいた。そして、限界に挑戦するということは、必ずや失敗を伴うということを学んだ。そうしないとどこが限界だかわかりませんからね。
どうでもいい話だけれど、毎日が同じことの繰り返しになってしまっても現実感が失われるし、逆に、予想もしなかったことが次々に起こって、それを切り抜けようとあくせくしているときにも現実感がなくなる。はっと気がついたときに、あれ私は何を考えてやっていたのかしらんと思うときがある。いい加減というのがけっこう難しい。その昔、常に「どうでもいい」と口にする友人がいたけれど、あれくらいがいいのかもしれない。あれはあれでいまも生きているのか心配してしまうところもある。何にせよ、週に三日は日向ぼっこをしてごろごろするような生活をしたい。
今日はカニを食いました。ビールはプレミアムモルツです。なぜか里芋と手羽先の煮物も作りました。クリスマスにはスペアリブのトマト煮込です。前後して煮豚も数回。私の人生は正しい方向に向かっているのでしょうか。