暑い寒い

気がついたら、暑さよりも遙かに寒さに強くなっていたらしい。子供の頃は有無を言わさず夏を好きだったのが、湿った空気もダメ、エアコンもダメで、夏の間は汗にまみれてぼんやりしていることが多くなった。今年の冬は、もっと寒くなるもっと寒くなると思っている間に、結局は何ということなく終わってしまいそうな気配もしてきた。マフラーを導入したからまもしれないけれど、きりっと冷えた空気に心地よさも感じる。
夏が好きだったというのは、もしかしたら、気候やら何やらが理由なのではなく、子供にとってはイベントの季節だったというだけのことかもしれない。それとも、服を着るのが面倒だったからか。服を着ることの面倒さはいまも変わらないが、いまではほとんど毎日同じ服を着ているので、何も考えずに済む。どんなに多い時期でも、着るもののパターンは三通りしかない。雨が続くと洗濯物が乾かず、本当に困ることになる。
クワガタを取りに行くことにもスイカを食べることにも、それほどの喜びを感じることができなくなると、単純に自分の体に合った季節が過ごしやすくなる。要するに、どの季節も同じことを繰り返しているということだ。
今日は結露でカビが発生した畳を剥がした。ドライバーを畳と畳の間に入れて、梃子のようにして持ちあげると、意外に簡単。乾かしてエタノールで消毒したけれど、やっぱり黒い。また明日も同じことをやろう。剥がした畳は、本物と偽物の間という、実に説明しにく、奇妙なつくりの畳だった。