社会常識

偉大なる横綱朝青龍が引退した。生きる歓びが一つ消滅した。最後の勝利を大先輩と共に見送ることができたのが、せめてもの幸運だ。
横綱に対する批判については措いておこう。どれも馬鹿らしいものばかりだ。今回は「相撲界」への批判について。気になるのは、「相撲界の常識は一般社会では通用しない」という言い方だ。何をたわけたことを言っているのか。そんなことは当たり前で、いちいち言うまでもない。それが相撲の世界である。「自分たちが特別だと勘違いしているのではないか」という言葉も聞かれるが、これまた阿呆な言葉だ。相撲取りは特別な存在である。「勘違いしている」という言葉が大きな勘違いである。
だいたい、あんな巨体で、髷を結って、どこからどう見ても「一般社会」の「特別」でない人々とは異なる、異形の存在ではないか。七三分けでネクタイ締めて、あるいは作業着を着て生活しろというのか。あるいは尻丸出しは下品だと非難するのか。「すべては一般社会の常識に従わなければならない」という一般社会の常識を振りかざす脳足りんが何を言うか。お前のちんけな常識こそ通用せんわ。しばくぞ。
……ちょっと力んでしまった。ワイドショーを見ていないで相撲を見ろ。とにかく暴行を食らった人、死ななかったあんたはすごい!