田中

『コンビニアフロ田中』が、とうとう最終巻を迎えてしまった。二週間に一度の金曜日が楽しみだったのに。もともとはスピリッツで連載されていて、題名が、『○○アフロ田中』の「○○」の部分が「高校→中退→上京→さすらい」に変わっていった、というものである。まあ題名のとおりのマンガです。
国民的マンガの主人公である不愉快なガキが住んでいる埼玉県の街よりも、同じ路線でさらに北上したところにある辺鄙な場所が舞台。さらに正確に言うと、今年の高校野球の埼玉県大会決勝で敗れてしまったあの高校の最寄駅らしきところ。まあ、郊外の奥地といったらよいだろうか。そこで生きる冴えなくてもてない若者たちの無益で不毛な日々を描いたマンガです。なんかねえ、自分の10代のころを思い出して、本当に笑えるんですよ。出身地からは少し離れているけれど、埼玉県の若い馬鹿な男があまりにもリアルで……。
そのリアルな男たちに対して、女たちのあまりに類型的な描写よ。中身が何もない。冴えなくてもてない男を通して見ると女というのはこのような存在にまで縮減されてしまうのか、と。確かに自分の記憶にもあるような。草食系男子たちが読んだら、何と思うのだろう。
夏休みに暇だったら読んでおくとよい本、という話をしたときに、思わずこいつも生徒に紹介してしまった。ちょっとまずかったな。しかし、できれば女の子に、若いうちに読んでおいてもらいたいような気もする。これまたまちがった教育だけど。