不思議

今年は五月に赤子が生まれることになっている。日ごとに大きくなってきているのが、腹の中で動く様子から、文字どおり手に取るようにしてわかる。最初は「ぽこんぽこん」という動きだったのが、いまでは「ぼこっ」やら「ぐいーん」やらがメインになっている。すごい。手なのか足なのか、尻なのか。エコーで見る動きは、もはや人間そのものである。骨もしっかりしてますねえ。
先日は性別がわかった。ちょうど胎児の股の間を下から見上げるような角度で、俺はそんな場所をそんなアングルで撮影されたことはない。俺、妻、医者の三人で、股の間をしげしげと見つめる。子供というのは無防備なものなのですな。守ってさしあげねば。
ちなみに男の子です。棒も袋も見間違えようがない。エコーで見る顔の骨格は、俺そっくり。少し下を向いているところが写っていたのだが、俺が同じ姿勢をすると、形がまったく同じだった。妻の骨格とはまったくちがう。頭の幅が、眉あたりの幅よりも遙かに大きい。きっと帽子には困ることだろう。
自分に似た(いまのところは骨格だけ)少年が生まれてくるというのは、とても不思議。うれしいというのではなく、ものすごく不思議。妻が不思議がっていたのは、「女の人からも男の子が生まれるんだねー」ということだそうです。確かにね。