ジョギング五日目

御承知のとおり、数日前からジョギングを始めた。本日にて5回目。二日前に新しいナイキのジョギングシューズ(定価の約三分の一にて購入)をおろし、引っ越しのときにダンボールに封印したままだったウインド・ブレーカーを着込んでいざ出発。ここ数日で理解したのは、心肺機能はそれほどでもないのに足の筋肉が中年並みに衰えてしまっていること、走ると足から汗が出ること、夜中のジョギング中には一人歩きの女性から変態や痴漢と勘違いされないよう気をつけなければならいということなどだ。今日はパトカーとすれ違ったのだが、いつにも増して心臓が高鳴った。走っていたからというだけではあるまい。
そんなわけで30分くらいかけて5、6キロ(どちらの数字もだいたい)。最後は地面のちょっとしたでこぼこに躓いて転びそうになるほどに疲労し、歩き始めるとなぜか右に曲がっていく。私の足は左右で長さが微妙に異なる。若い頃の無茶のせいである。ゴール地点は24時間営業の巨大スーパーマーケット。メガロポリス東京ではお目にかかれない規模である。目的はビールの購入。最近は350ml缶の一番搾りを6本まとめて買う。風呂を出てからのお楽しみである。店の出口で何度か屈伸運動。 入ってきた二人組みの若者に見つかる。見なかったことにしてくれ。
スーパーマーケットを出てから大人の悪徳である喫煙へ。走った後の煙草はこれまたうまいのよ。そう思ったら、疲れ果てて煙をほとんど吸い込めない。息はあがっていないのにこんなことってあるのね。で、ガラスに映った自分の姿を見てびっくり。どう好意的に見ても「健康さわやかスポーツ青年」というよりも、せいぜい「社会復帰を目指してリハビリに励むアル中患者」としか思えない人間がそこにいあたのである。髪は伸びきって夜風にあたってもじゃもじゃになり、その下の顔は健康的と言うにはいささかこけていて、ウインドブレーカーはむしろ茶色に近い白色であり、なぜかズボンの裾からはその下に穿いているパジャマズボンがのぞいている。おう、ふぁんたすてぃっく。こんな人みたことないね。
楽しい気分になって家までよれよれ歩いて帰りましたとさ。