コメントに応えて

現代において「革命」を担っているのは、世界を牛耳っている人々だ。しかし本当にそういうことなのだろうか。世界に変革をもたらすとされるのが、左翼的な「革命家」から、「entrepreneur」に移行したというのは、変化をもたらす主体にしても、その方法に関しても、大きな変化なのではないだろうか。今起こっているのは、そもそも、変化なのか拡張なのか。
革命の論理は、「革新」にあるのではなく、「矛盾」にある。生産力の変化が生産関係をも変容させるのだし、それがentrepreneurによって担われているのも確かだが、彼らは矛盾を固定することに尽力する。私は矛盾を齟齬と言い換えたわけだが、それが「変革」によって増大するとともに固定されるのだと考えている。
もちろん、左翼的な革命の論理に私は賛同しているわけではない。怪しい吸引力のある言葉だと、もっと年少の頃は思っていたけれど、それに親和性をもっているわけでもない。しかし、管理・経営・統治の拡張と、転覆や抵抗ということは、まったく異質なことであるように思える。愛国を語るにしても、後者に属するものとしてしか存在しえないではないか。オルタナティヴを提示するというのは、後者が前者へと変容することと同義だ。革命家からentrepreneurへの変容がどのような意味をもつのか。とりあえずそれを考える必要があるような気がする。
これは、「イスラムに足りないのは民主主義と自由」というブッシュの論理は無理矢理で、実際には「イスラムに足りないのは官僚制と資本主義的生産関係だ」という俺の見解とも関係することのように思う。もう少し考えたい。