ボロアパート

晩ごはんの後に眠りこけてしまい、何もしない一日だった。堕落している。
今日は大学からの帰りに、四ヶ月前まで住んでいたボロアパートに寄ってきた。しかし引っ越してからまだたったそれだけの時間しか経過していないことに驚いてしまった。もうあれから少なくとも三回くらいは死んだような気がする。天変地異。同じことをもう一度やれと言われたら、俺は確実に逃げる。
ボロアパートを訪れた目的は郵便物がうまく転送されていないのではないかという疑いを晴らすため。やっぱりいくつかあった。論文の査読結果が実は転居前の住所に郵送されて、それが転送されていないのではないかという妄想に憑かれていたのである。やっぱり来てた!と思ったら、その学会から別の書類が来ていただけだった。縮み上がったぜ。ダメでもいいから早く結果がほしい。いや、ダメだと困るんだけどさ。あとは法律事務所なんかも。何か悪いことしたかしらと開封する前にけっこうびびったのだけど、自分にはほとんど関係ないものだということに思い至った。
大きな封筒もあったので裏手に住んでいる大家さんに鍵を借りてドアを開けた。ボロアパートにはポストというものが存在せず、ドアにポストの穴がついているだけなので、郵便物は玄関のたたきでべろんとしていることになる。部屋の内部を見ても、まだあまり時間が経過していないせいか、懐かしさなど微塵も感じず。あんなに狭いところに住むのはもう嫌です。ゴミ溜めのようだった部屋から何もかもがなくなっていても、寂しさではなく、片付いてすっきりしたという印象だった。
まあとにかく、現在を大切に生きていこうと、そう思ったわけであります。