旅行その1


一週間、バリ島に行ってきて、昨日帰ってきた。一年遅れの新婚旅行と称して、バカンスを満喫した。行く前には、少しは観光をしようと思っていたのだけれど、実際にはどこにも行かなかった。広大なホテルの敷地からも食事以外にはほとんど出ず、何もしないで過ごした。朝起きて、プールサイドに行って長椅子の上でうとうとし、昼飯を食べながらビールを飲み、またプールサイドで昼寝をし、本を読み、夕方五時くらいから酒を飲む。これを繰り返してきた。本当に何もしなかった。
旅行に行くなら南の島と決めていた。東南アジアと中国という、二回の貧乏旅行以外で日本を出たことはこれまでなかった。そういう旅行は、体力的にもたぶんもう無理だし、何より日常で疲れていた。そんなわけで、バカンスの妄想が広がっていた。
日本よりも暑いのかと思っていたら、夜中に着いたバリ島は、日本よりもはるかに涼しかった。昼間になっても、日差しはさすがに経験したことのないほどの強烈さでも、空気はさわやかだった。写真のとおりのかんじで、影の輪郭がはっきりしていた。(つづく、と思う)